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    20109月にオリンパス講座第二回写真展が97日から開催されました。

    PhotoArtist 2010写真展  ギャラリー・ルデコ 3F(渋谷)

   「小湊鐵道で表現する十人十色の風景」

   大盛況の内に、無事に終了致しました。ありがとうございます。

 

journey_dm_F_240x165.jpg 第2回目となる8Jクラス写真展「Journey」が10月に開催されました。

 場所は、九段下にあるGallery CORSOです。

 

 大盛況の内に、無事に終了致しました。ありがとうございます。 

 

 

 

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http://kiyo2011.blog.so-net.ne.jp

2011年を機会にblogを新装しました。「Kiyo's blog 2011をよろしくお願いいたします。

E-5で撮る。お昼時の浜離宮の新銭座鴨場での続きです。また、RAW現像処理についての考察。 [徒然な話]

今日は、S-asakiさんの質問に答えるトコロからです。
RAW現像と、ノイズの問題です。
そもそも、RAWファイルは、どうなっているのかから始まります。

デジタルカメラでは、イメージセンサーからの信号を以下の手順で処理していきます。
単純化しています。

○イメージセンサーから、アナログ信号が出力されます。
○ADC(アナログ→デジタル信号コンバータ)で、アナログ信号をデジタル化します。
△旧:RAWファイルを作成します。
 従来のイメージでは、AD変換後のほぼ生状態のRAWデータを保存していました。
○画像処理エンジンで、RAW現像向けの最小限の画像処理を行います。
 一部の収差の補正、一部のノイズ除去処理などが行われたRAWデータを保存しています。
 実際には、RAWデータそのものは加工しないで、下記のような補正データを付加する場合が多いようです。
 メーカー共通や、メーカー独自でのRAW現像時に利用可能な補正データの付加を行います。
  例えば、レンズの色収差・歪曲収差などの補正情報や、独自処理の為の付加情報などを、RAWデータに追記します。
○新:RAWファイルを作成します。
 最近は、画像処理エンジンで最低限の補正をした(生に近い)RAWデータを保存します。
○画像処理エンジンで、各種変換作業を行いカラー画像に変換します。
 暗電流補正、補間演算、色空間変換、ガンマ補正、収差の補正、ノイズリダクション、画像圧縮など
○JPEG向けの変換処理を行います。
 JPEG向けの各収差の補正(倍率色収差や、歪曲収差など)
 JPEG向けのノイズ除去処理(ノイズフィルター)
 JPEG向けのシャープネス処理
△オリンパスでは、アートフィルターの変換処理を同時におこないます。
○JPEGファイルを作成します。

旧来の考え方では、アナログ→デジタル信号変換された時点の生データをそのまま保存するのがRAWファイルでしした。その意味で、文字通りのRAWだったわけです。
しかし、そのメーカー、その機種の固有の特性は、今や、画像エンジンでの画像処理によって行われています。

イメージセンサーは、単色(モノクロ)の白〜グレー〜黒しかない単色センサーに、カラーフィルターを付加してあって、その復元処理は、画像処理エンジンが行っています。
ADCの後に保存されたRAWデータでは、そのまま、ドットの並びと、そのドットの濃淡しか記録されていないわけです。
それを、カラーフィルターの並び順から、この位置はRで、この位置はGで、この位置はBでと位置から、例えば、殆どのメーカーのイメージセンサーが使用しているベイヤ配列のRGGBが並びや、上下左右との差分などから、そのドットが、実際には、何色であったか、どの明るさであったかを計算してカラーと輝度の復元処理している訳です。
イメージセンサーのカラーフィルターのイメージです。(全く正確ではありません)

光 光 光 光 光 光 光
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
RGGBRGGBRGGBRGGB
イメージセンサーの表面

カラーデータは、モノクロの濃淡のデータと、カラーフィルターから、まるでCGのように創成されている訳です。
RAWファイルは、こういったRAWデータからの復元処理を、RAW現像ソフトに任せておこなうためのイメージセンサーからの情報に一番近いデータファイルなわけです。

そこから、今回の疑問ですが、ノイズ処理はどこで行われるでしょうか?
一般的に、ノイズ処理などの画像処理は、RAWデータから後続の処理として、JPEG化の過程で行われます。

E-5で話題になった、モアレの除去、ファインディテール処理も、この画像エンジンでの処理と言われています。

つまり、そのカメラらしい特性は、画像エンジンでの各種処理にあるとすれば、カメラから出てくるJPEGファイル、あるいは、カメラメーカー純正のRAW現像ソフトから出てくるRAW現像されたTIFFファイルや、JPEGファイルでしか現されないと思われます。

必然的に、そのカメラとしてのノイズのあるなし、ノイズの多い・少ないは、結局、カメラから出てくるJPEGファイル、あるいは、カメラメーカー純正のRAW現像ソフトから出てくるRAW現像されたTIFFファイルや、JPEGファイルに対してのみ表現できる訳です。
ノイズ除去処理の対象も、こういったJPEGファイルや、RAW現像時のノイズ除去の指定だけというコトになるわけです。

結果的に、どんなカメラでも、RAWデータをそのまま見ると、ノイズまみれの画像になります。
ノイズ除去なしの設定とほぼ同等と見られます。

ただし、JPEGでは、ノイズ除去なしの設定でも、まともに見られる程度の最低限のノイズ除去処理を行っているメーカーが多々あります。
ノイズ処理に複数段階有りますが、実際には、
ノイズ除去:全くなし=RAWデータと同じ
ノイズ除去:なし設定=なし。または、画像エンジンでの標準処理としての最低限のノイズ除去が行われている場合があります(ディテールが失われない程度)
ノイズ除去:弱
ノイズ除去:普通
ノイズ除:強
さらに、一部のメーカーでは、RAWデータ作成時に、最低限のノイズ除去を行ってしまうケースがでてきました。
RAWデータがRAWのままではなくて、RAWに近いRAWデータになってしまっているケースです。

RAWとして保存する関係で、全ての画像処理が可能ではなくて、暗電流補正、色収差・歪曲収差や、最小限のノイズフィルター処理などを行ってRAWデータとして維持できる処理に限られるようです。
当然、変換して再変換が必要となるので、カラー復元後の色関係の補正は困難です。
ホワイトバランスの調整なども困難だと思います。
ということで、RAWデータ、RAWファイルにも、一部補正されたデータが存在する時代となっています。

それを踏まえて、結論として、

RAW現像ソフトが行うのは、カメラ内部から取り出したRAWデータを、カメラでの画像処理エンジンで、画像処理して、
RAW現像=JPEG化処理して、JPEGファイルを作成することを真似た処理です。
PC/Macの強力なCPUの演算パワーで、カメラ内では出来ないような高速で、優秀な画像処理加工が可能となります。
そのお陰で、ホワイトバランスの再調整や、露出補正の再計算、部分的な加工、より優秀なノイズ除去処理といったことが自然にできるわけです。

つまり、ノイズ処理は、RAW現像時=JPEG作成時に行われるので、RAWデータには、多くのノイズ存在する方が自然です。

もし、RAWデータなのにノイズがまったく見えないようであれば、真のRAWデータでないか、
今後、現れるかもしれない、非常に優秀なイメージセンサーであればという理想のRAWデータです。
現行の35mmフルサイズ機種でも、暗所シーンで、まったくノイズが皆無ということはありません。

現状で、最も理想的なのは、その後のノイズ除去処理がやり易い、偽色の少ない、素直なRAWデータです。

通常、暗所でのノイズが厄介なのは、ランダムな偽色ノイズが多くて、ディテールを残すしてノイズも残すか、
あるいは、ディテールがつぶれて多少塗り絵的になっても、ノイズを除去するかという2択になってしまうことです。
もし、ノイズが除去し易いものであれば、ノイズの多さは問題にならなくなります。

そして、RAWデータの本当のノイズを見せる・見せないなどは、RAW現像ソフトのデフォルト状態での機能となります。
RAW現像ソフトによっては、あるがままに、ノイズを表示するソフトもあれば、RAW現像後に近い、最低限のノイズ処理を施して表示するソフトもあるということです。

なお、ここでのノイズ除去は、主に、ノイズフィルターの処理を言っています。
定常的なノイズ除去であるノイズリダクションは、別の話になります。
これは、実際の撮影と、同条件で、ノイズだけの撮影をして、その差分がノイズとなるので除去するという手法です。
実際の撮影時にのみ実行可能となります。


さて、今日の写真は、昨日のお昼時の浜離宮での続きです。
新銭座鴨場の鴨池や、その回りでの撮影です。
新銭座鴨場の鴨池には、池の辺の一角に見張り小屋のような小屋が建っていました。
そこから、小さな穴が3個開いていて、鴨池が覗き込めます。
今日は、その鴨池の見張り小屋の中から覗き込んだ一枚が面白かったです。

機材は、変わらず、通勤なんですが、E-5+ED14-35mm F2.0SWDです。
1)i-FINISIHで撮ると、それほど赤くなくても、紅葉してキレイになりますね。
EC010873_1280x960.jpg
2)
EC010879_1280x960.jpg
3)
EC010882_1280x960.jpg
4)
EC010883_1280x960.jpg
5)新銭座鴨場の小屋
EC010892_1280x960.jpg
6)池が覗き込める穴が3個開いていました。
EC010898_1280x960.jpg
7)小屋の横から。
EC010903_1280x960.jpg
8)落ち葉。
EC010910_1280x960.jpg
9)こちらは、潮入の池の周辺です。
EC010913_1280x960.jpg



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コメント 4

S-asaki

KIYOさん、こんにちは。
私の初歩的な質問に丁寧にご説明いただき感謝しております。良く判りました。オリンパスCSの回答も簡単でしたが同様の内容でした。私自身これまでは他メーカーのデジイチでしたのでその会社の現像ソフトがご説明に有りましたようにRawデータもノイズの除去された状態で表示するように設定されていたのだと思います。その点でViewer2は生のRawデータで表示されているのでJpegに変換後の画像からでないとE-5の真の良さが判らないわけですね。少し不便ですが変換後の画像で再チェックする事に致します。有難うございました。今後もご指導の程よろしくお願いします。
by S-asaki (2010-12-03 16:30) 

kiyo

S-asakiさん、
コメントありがとうございます。
>Rawデータもノイズの除去された状態で表示するように設定されていた
これは、ソフトの考え方にもよります。
まったくの何も「なし」を基準にするものもあれば、カメラの設定を活かすモノもあれば、最低限のノイズ除去を施すものもあるというコトです。

画面の初期表示時に、いま、どの程度のノイズ状態なのかの確認が出来るかと、では、どのくらいのノイズ除去を行うか、あるいは、弱、標準、強に設定変更すると、どう表示が変わるかが見分けが付くかというコトですね。

「なし」でも、「弱」でも、表示に変わりが無いようですと、あまり良いコトとは思えないですね。

あるモノはある、無いモノは無い、変更した場合、変更内容に応じて、真実を表示しないと、ある意味で、RAW現像といっとモノは、理科の実験的なものですので、良くも悪しくも正確な表示・表現が良いと思われます。

但し、カメラの設定を引き継ぐタイプの場合に誤解があります。
カメラの撮影時に、「OFF」であれば、「なし」の状態になりますし、「弱」であれば、「弱」として表示します。

例えば、Olympus Viwer2は、純正ソフトですので、カメラの設定を引き継いで表示されます。
そこで、ノイズフィルターが、「OFF」以外であれば、ノイズ除去された表示になるはずです。

あるいは、RAW現像の画面において、ノイズフィルターの設定を「OFF」以外に変更すれば、画面表示も、ノイズ除去された表示に変更されると思いますが、如何ですか?
by kiyo (2010-12-04 10:20) 

S-asaki

ご丁寧な説明をしていただき有難うございます。

>Olympus Viwer2は、純正ソフトですので、カメラの設定を引き継いで表示されます。
そこで、ノイズフィルターが、「OFF」以外であれば、ノイズ除去された表示になるはずです。

現在私のノイズフィルターは「標準」設定でJpeg(L_Fine)+Rawで撮影しております。先日ISO1600で撮影した鳥の画像をJpegとRawを見比べたのですがRaw画像の方がノイズが乗っているのが判ります。Viewer2のRaw現像で「OFF」、「弱」「強」と変えても表示画面では顕著には変化が見られません。Jpeg画像はノイズは見えませんがその代わりと言っては変ですがのっぺりしたような、良く言えばなめらかな画像に見えます。そこでRaw画像をJpeg変換して保存、Viewer2に再読み込んで見ますとノイズもなくJpeg画像と同じように見えます。
以上ご報告いたします。

by S-asaki (2010-12-04 12:30) 

kiyo

S-asakiさん、
確認してみました。
Olympus Vewer2には、RAWデータを表示するには、2種類有ります。
「編集ウィンドウ」と、「RAW現像」です。
最初の一覧表示から、サムネールをダブルクリックするか、右クリックから「編集ウィンドウを開く」を選択すると、「編集ウィンドウ」画面になります。
その「編集ウィンドウ」画面で、「RAW」タブの中に、「ノイズフィルター」の項目があります。
この設定は、「撮影時設定」が標準ですが、「OFF」、「弱」、「標準」、「強」と切り替えて、その結果が画面に反映されるハズです。
しかし、どうも、まだ、バグがあるのか、反映されないときは、反映に失敗するときにあるようです。
また、最初から「RAW現像」画面にはいると、「ノイズフィルター」の変更が、画面に反映されないようで、これが、仕様かもしれません。
いずれにしても、ちょっと、不完全な動作のようですね。

確かに、S-asakiさんが不審に思われるはずですね。

by kiyo (2010-12-06 06:56) 

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